UnrealEngineでエフェクトを作ると言ったらNiagaraという機能です
…何をどうすればいいんですか?
泣いて見つめる事しかできません
…ですよねー
この記事では、泣く子がもっと泣くUnrealEngineのNiagara機能について、分かりやすく解説します
Niagaraとは?
NiagaraはUnreal Engineのビジュアルエフェクトエディタ
ゲームやアプリケーションに高度なパーティクルエフェクトやシミュレーションを作成するためのツールです
UnrealEngine5から正式に採用された機能で、それまでUnrealengineで作成するパーティクルのエディターはCascadeというエディターでした(UE5で廃止)
Niagaraを扱うにも、そもそもNiagaraの呼び出し方、エディターの読み解き方、Niagaraの仕組みの前提知識が必要となります
いきなりNiagaraに取り掛かると挫折する事でしょう
挫折をしないためにも、次の項で前提知識をご説明します
Niagaraを作る前に 3つの前提知識
①Niagaraを作成する時は、必ず[Niagaraシステム]を作る
Niagara起動するには、コンテンツブラウザ⇒FXから呼び出しますが…
Niagaraに関するメニューがいっぱいあってもう泣きそうですね
Niagaraデータを作り始めるには、[Niagaraシステム]を選択して編集画面から作っていきます
作成したNiagaraシステムを、レベルに配置してエフェクトを表示させる…というのが、スタンダードな流れとなります
②Niagaraのテンプレートを活用
Niagaraは一から自分でエフェクトを作成することが出来ますが、何種類もあるエフェクトのテンプレートから選んで作成することが出来ます
Niagaraシステムをクリックすると、[システムの開始点を選択]のメニューに移ります
[選択したエミッタに基づく新しいシステム]より、テンプレートからエフェクトを選ぶことが出来ます
テンプレートを選択した後は右下の[+]を押して追加する
コーヒーを、豆から栽培するな!
ごはんを、稲から栽培するな!
③Niagara エフェクト生成の仕組み
Niagaraシステムを作成し、編集画面に移ると、エミッターという頭がオレンジのパラメータの集合体が表示されます
後述で、詳細に説明しますが、エミッターの中のパラメータはモジュールと呼ばれています
エミッタ内のモジュールの上から下への順番で再生されます
[スポーン]⇒[更新]⇒レンダリング
初回はこの順でエフェクトが発生し、
2回目発生からはスポーンには戻らず、更新からループされます
Niagaraのインターフェース
- プレビュー
作成したNiagaraがリアルタイムで再生されます - パラメータ
利用可能なパラメータ(変数)が表示されています
[③エミッタ]にD&Dすると、パラメータを追加することが出来ます
パラメータの新規追加も行うことが出来ます - システム・エミッタ・モジュール
青い本体がシステム、オレンジの本体がエミッタ(発生源)です
システムは1つしか配置できませんが、エミッタは複数配置できます
エフェクトの要素をそれぞれ分解し作成して、複数のエミッタを合成するという考え方が主流です
エミッタの中はグループ分けされているが、グループの中身のメニューの事を[モジュール]と呼びます - タイムライン
作成したエフェクトのアニメーションを、時間の経過とともに表示されるグラフィカルな表示手段です - モジュール詳細
モジュールのさらに詳細なパラメータを設定するパネルです
2[パラメータ]の項目で「変数?」と思った方へ
UEのブループリント機能の知識が必要です。下記記事も参照お願いします
Niagaraのモジュール
デフォルトで表示されるモジュールについて簡潔にまとめます
モジュール名 | 機能 | |
---|---|---|
プロパティ | エフェクトやパーティクルの動作を制御するためのパラメータ 💡特にEventHandlerという機能は、エミッター同士を連携させる役割を持ち、使用頻度が上がってくるでしょう | |
エミッタのスポーン | パーティクルの生成と発生 | |
エミッタの更新 | パーティクルの動きや外見の変化 | |
パーティクルのスポーン | エミッターから生成されるパーティクルの設定を行います ・寿命 ・色 ・サイズ ・軌跡…など 💡AfterEffectsのプラグイン[particular]のEmitter部分に似ている | |
パーティクルの更新 | 時間経過や、重力や風など外部の影響に応じてパーティクルの状態を変化させる 💡AfterEffectsのプラグイン[AuxSystem]のEmitter部分に似ている | |
レンダリング | モジュールを上から生成していった結果を描画して出力する設定 💡スプライトレンダリング⇒Materialより、パーティクルの形状(マテリアル)をカスタマイズできる |
モジュールの画像の黄色部分の記号を押すと、追加できるメニューが一覧で表示されます
その他、豆知識
Niagaraのプレビュー画面の背景変更
マテリアルやブループリントエディタの背景変更の場所と少し異なります
ウィンドウ⇒プレビューシーン☑
[プレビューシーン]環境設定 | |
---|---|
showEnviroment | 環境マップ表示/ 非表示 |
showFloor | 床を表示 |
EnviromentColor | 背景を単色&色を設定 |
EnviromentCubeMap | 環境マップを設定 デフォルトの環境マップはEpic本社 |
初心者のNiagaraとのおススメの付き合い方 2点
①マーケットプレイスのNiagaraエフェクトをベースに使用
先述にも書きましたが、Niagaraのテンプレートをベースに使用するのと同じ事で、マーケットプレイスで配布&販売されているアセットも活用しましょう
モノ作りする人にありがちな「いちからオリジナルを作らなければならぬ」マインドに囚われがちですが、時間は有限です
先人が遺したアセットを活用して、気になる部分だけパラメータを調整してカスタマイズする…という手段を取っていく事をお勧めします👍
Niagaraはとにかくパラメータが膨大
位置から生み出すことに拘ると、人生が終わってしまいます
②おすすめ参考書・チュートリアル
Niagaraに関するノウハウが、書籍やネットに出始めています
広域のゲーム・映像制作ではなく、エフェクターに特化したい方は、腰を据えてNiagaraと向き合うのも悪くありません
①Udemy
講座価格帯 | 約1800円~約27800円 |
不明点の対応 | ・有料講座限定 ※メッセージ機能が有効の場合 ・Q&Aスレッドで質問投稿&閲覧可能 |
主な講座 | ・Unreal Engine 5: One Course Solution For Niagara VFX 価格13800円(セール期間:1500円) 受講時間:17.5時間 ・Unreal Engine – VFX for Games – Beginner to Intermediate 価格27800円(セール期間:1800円) 受講時間:7時間 |
②CGworld オンラインアカデミー
CG・アニメ・ゲーム業界…映像に関わる人ならだれでも読んでいる定番雑誌がお届けするチュートリアルサイト
2024年5月ごろ、niagaraに関する新しいチュートリアルがリリースされる予定
講座価格帯 | 約5300円~約6600円 |
不明点の対応 | ・有料講座限定 ※メッセージ機能が有効の場合 ・Q&Aスレッドで質問投稿&閲覧可能 |
主な講座 | ・UE4のNiagaraを使用したエフェクト制作講座 価格5300円 受講時間:約9.5時間 ・UE5で作る氷エフェクトチュートリアル 価格5300円 受講時間:約2.5時間 ・UE4 Niagaraリアルタイムエフェクト実践講座 価格00円 受講時間:約3時間 |
③参考書籍:Unreal Engine 5で学ぶビジュアルエフェクト実装
2023年5月に発売したばかり
Niagaraとは?について初めて厚く体系的に記した1冊
HLSコードを使った作例が内容の半分を占めている
HLSコード初心者にはハードルが高すぎる
ギク…
チュートリアルで学んだことは、仕事で活用するようにはしてます!!
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